2006年05月08日

●新しい職場は複雑系② 「カオス」

傘を持っていくべきか置いていくべきか、それが問題だ──。

実際、ニュートン力学を使いながらも、予知できないことが山ほどある。舞い落ちる木の葉一枚一枚がどこに落ちるか、いつどこで地震が発生するのか、分からない。
3つ以上の天体が互いに干渉しあう場合、あまりにも複雑な軌道を形成することを発見したフランスの数学者アンリ・ポアンカレが、最初にカオスに気づいた人物だそうだ。

未来がまったく予想不可能な振る舞いをするカオス。身近で典型的な例が天気予報だ。新鮮な短期はまあ別にして、長期予報はなかなか当たらない。なぜ当たらないのか。

空気の流れ、水の相転移、日照、海流、地形…非常に多くの複雑な要素の条件、それらが互いに及ぼしあう作用などを考慮しなければならないからだ。しかし、どれも力学法則に当てはまる自然現象であるから決定できるはずだ。だが、コンピュータの処理能力が上がった現代でも、冒頭の問題は頭を悩ます。

新しい職場も、まさにカオスだった。

年齢、序列、役職、経験、社歴、学歴、能力、性格、人脈、派閥…見えるもの見えないもの、変わるもの変わらないもの、様々な要素が社員それぞれに存在する。同じ言動でも、怒ったり怒らなかったり、自分の出した指示を勘違いしたり…困った上司はどの会社にもいるが、一人一人の属性を掴むのは難しくない。しかしそれらは、時と場所、その場に居合わせる人物によって、異なった姿を呈する。

たとえば2人の上司が180度違った指示を出す。どう対応すればよいのか。一筋縄ではいかないだろう。その2人についてだけ考えればよいわけではなく、影響を及ぼす要素は複数あり、複雑に交わっている。

天気予報同様、個々の振る舞いは予測できても、相互作用が複雑すぎるために、結果を予測できない。こういった系を「複雑系」という。

新しい職場は、禍のもとがどこに胚胎しているか予測不能である。

つづく。


Posted by yu-topian at 2006年05月08日 23:52
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